2015年1月16日金曜日

シェイクスピアのJulius Caesar


The Young Reader’s Shakespeare Julius Caesar
A Retelling by Adam McKeown and Illustrated by Janet Hamlin

シェイクスピア専門の大学教授による、The Young Reader’s Shakespeareのシリーズの一冊から、Julius Caesarを読みました。以前ご紹介した、Bruce Covilleの書き直しに比べると、同じく、高学年の児童向きのカテゴリーとはいえ、枚数も多く、絵本というよりは、短い小説という感じでした。現代語訳の文章は、読みやすく、筋もたどりやすかったです。
権力の拡張と民衆からの支持により、王位につくのではないかとの恐れから、同胞の策略により殺害されたJulius Caesarと、その後に続く、重なる策略と権力争いの物語ですが、他の王位をめぐる悲劇を描いたシェイクスピアの作品とは違い、一体、誰が、本当の英雄であったのか?ということが、シェイクスピアから、はっきりと提示されていない作品とのことで、読後なり、お芝居鑑賞後なりに、国に勝利をもたらしたということで、民衆の自由を奪い、王位につくことは、正しいことなのか?民主制が奪われるということで、国に勝利をもたらしたものを殺害することは正しいことなのか?などの、たくさんの疑問が生じ、論議が続く物語ということです。英雄が、ころりと落伍し、果てしない野望が、終わりをみることがない物語でした。

The Young Reader’s Shakespeare のシリーズからは、他に、Hamlet, Macbeth, Othello, Romeo & Julietも出版されています。


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