2012年8月3日金曜日

洋書:The Reconstructionist著者来訪

私が参加しているブッククラブの、今月8月の読み物は、洋書:The Reconstructionistだったのですが、著者のNick Arvin氏が、デンバー在住ということで、ブッククラブの集まりに参加して下さいました。今まで、3冊の小説を出版されているということなのですけど、30代ぐらいかな?賞も取られていて、新鋭作家という感じの方なのかなと思いました。どちらかというと、物静かで、すごく気さくな感じの、エンジニア兼作家という方なのですけど、プレゼンテーションを見ていて、私は、普段、エンジニアの方と知り合う機会が多い生活なのですけど、あっ、エンジニアって、こんな感じだなって、思いました。そんなこともあり、こちらの洋書:The Reconstructionistは、たくさんある女流作家の恋愛小説とは、一風違っていて、男性でも読むかもしれない恋愛小説です。 本の物語についてですが。皆さんは、Reconstructionistって、ご存知ですか?私は、そんな仕事があるのかって、初めて知ってびっくりしてしまったのですが、accident reconstructionという専門の仕事があって、交通事故が起きた場合に、裁判などの資料を揃えるために、車の走っていた速度や、何回ひっくりかえったかとか、どういう状態で衝突したかとか、そんな調査をするエンジニアのお仕事があるのだそうです。こちらの小説の主人公は、自分の弟を交通事故で亡くしているのですが、昔、その弟の彼女に恋をしていて、何年か後に、すでに結婚している彼女に再会し、そのだんな様のReconstructionistと一緒に、Reconstructionistとして、仕事を始めます。そして、三角関係になるという、恋愛の問題もあり、昔の弟の事故の真相にも、新たに疑問が生じるという展開になります。著者のNick Arvin氏自身が、以前、accident reconstructionの仕事に携わっていたということで、盛りだくさんに含まれている事故の調査などの描写が綿密で、こんなところが男性読者の方も、楽しめる部分ではないかなと思います。そして、せっかくなので、お話するのは控えますけど、後の方にでてくる、昔の弟の事故の真相にせまるところでは、えっ?!と思ってしまうような、意外でスリル満点の展開になります。主な登場人物は、主人公、弟の元彼女、そしてそのだんな様なのですが、だんな様が、一風かわった人間像に描かれていて、不思議な魅力がいっぱいです。 Nick Arvin氏のプレゼンテーションについては、小説の中で描かれている交通事故の元になったという、実際にあった交通事故のReconstructionの再現フィルムの紹介から始まりました。コンピューターを使って、事故現場で、実際に車が走っていて、どういう状態で事故にあったのかということが、リアルに再現できる映像が作れるということなのですけど、ブッククラブの皆も、このaccident reconstructionの仕事を知るのが初めてで、本より、こちらの仕事とか、車についての質問が、たくさんでした。 そして、こちらの本の執筆については、accident reconstructionの仕事をしていた時に、こんな小説を書きたいと思っていたのだけれど、登場人物の人間像を作り上げることと、小説となる長い構成をつくりあげるのに、時間がかかったということでした。出版にあたり、最初、アメリカ国内の出版社は、出版に興味がないということで、出版したいというイギリスの出版社から、第一版が出版され、その後、アメリカの出版社からも出版されたとのことなのですが、イギリス版とアメリカ版では、ちょっと、違った内容になっているのだそうです。 ブッククラブとしては、いつものように、それぞれの読後の感想を交換する時間があまりなかったのですが、三角関係などの恋愛関係の部分については、ちょっと弱いなという感じがしたという意見がいくつかでました。でも、Reconstructionという、舞台設定が、とってもユニークで、文章も、明晰で、読みやすく、自分の知らなかった世界が広がったという点では、全員一致でした。 以下のランキングに参加しています。よろしかったら、クリックをお願いいたします。
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