2013年5月31日金曜日

洋書YA 小説:The Fault in Our Star


ちょっと前に(ずいぶん経つかな?)、同じく洋書のグループに参加されているhinajiroさんが、こちらの本について、とってもよい解説をされていましたよね。私も、同じ頃読んで、知らなかった作家のウェブサイトを、知ることができたりと、参考にさせていただきました。と、いうことで、私は、物語の内容は省略してですが、先日ご紹介した、Mitch Albom著“Tuesdays with Morrie”からは、自分より先に、長く人生を生きた方からの人生についてのレッスンを受けてという感じですが、こちらの、洋書YA 小説:The Fault in Our Starからは、もう、治癒の可能性がなく、死ということに向き合って、短い人生を生きている、自分より、ずっとずっと若いガンに冒された人達から、人生にとって、とっても大切なことを教えられたという感じでしょうか。
物語は、中高校生のCancer Kid Support Groupで出会う、主人公の女の子Hazelと、彼女と恋に落ちるAugustusが、Hazelの最後の夢を叶えるためにオランダ旅行に出かけるというものですが、いかにも、高校生が話しているという感じの、ユーモアがあって、高校生って、普段こんな風に話しているなという、日常感があります。
末期のガン患者とその家族の話しを通しては、terminal ill 回復の見込みのない病気に侵されている家族のありかたというか、受け止め方について、考える部分がありました。たとえば、Hazelが、元気になってねといわれることについて、病気ということには、よくなるということと、治癒の可能性はなく、死ぬということがあるんだ、そして、自分の場合は、後者のdeal with deathなんだと言うのですけど、死が間近という事実を受け入れたら、接している人間の判断っていいますか、そんなことも違ってきますよね。病気の子供を心配するあまり、やりたいことを、止めようとしたりという両親にも、this is my life と、ガンがあるということで、自分ではなくて、人が、自分にとって良いこと、悪いことを判断しようとする、とか、病気だけではなく、老親との接し方とかにも、同じようなことがいえるかな、と、私も、自分の接し方で考える部分がありました。
そして、HazelとAugustusが、とっても素敵なデートをするのですけど、人生にとって、やっぱり、恋、ということが、一番の嬉しいというか、経験できてよかった!って思うことじゃないかなって、思いました。短い限られた人生のなかで、永遠ということを経験できた、ということが、私が、こちらの本を読んで、一番、心に残った言葉です。


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2013年5月30日木曜日

ジャズCD: Ella Fitzgerald


アメリカに来てから、Jazzが大好きになりました。特に、Ella FitzgeraldのCDを聞いてから、すごい!すごい!すごい!と思って、音楽を聴くというと、Jazzという感じなのですが、こちらのCDは、ライブコンサートを収録したものなので、特に、臨場感があり、Ellaの楽しそうな肉声も聞けて、大好きなCDです。スローなメロデイーも、しみじみですが、なんといっても、スキャットがビックリです。 洋画“The Great Gatsby”では、1920年代のjazz ageが背景となっているわりには、音楽が、jazzっぽくなく感じたのですが、jazzに興味がある方は、Ellaを、是非。


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2013年5月29日水曜日

洋書:Tuesdays with Morrie


またまた、F. Scott Fitzgerald著The Great Gatsbyに関連してですが、前日ご紹介した洋画The Great Gatsbyでは、最後の方の物語が、原書とは違っていて、原書を読んだ時に、気になった部分が、省略されてしまっていて、ちょっと残念に思う部分がありました。30代にして、巨額の富を築いたGatsbyについては、どういう人物か、どのように富を得たかということが、なぞ、として、あれこれ、人々の噂に上っていたのですが、1920年代という、禁酒法の時代に、bootleggerといわれる、違法に酒類を密造、販売するマフィアに関係して、富を得ていたという含みがあって、あぶない仕事の仲間のようなMeyer Wolfshemという人物が出てきます。犯罪者の親分のような人なのですけど、Gatsbyのために、寂しいお葬式になってはということで、奔走して、Meyer Wolfshemに会いに行った主人公のNickに言った言葉、“よい友達であるということは、友達が死んでから示すのではなくて、生きている時に示すものなんだ”というのが、映画では、省略されていたのですが、私にとっては、すごく、心に残る言葉で、何度も何度も読んでいる、Mitch Albom著Tuesdays with Morrieを読んだ時にも、人生のレッスンとして、心に留めたことに重なりました。 Mitch Albom著Tuesdays with Morrieは、ずいぶん前になりますが、New York Times Bestsellerとして、ずいぶん、話題になったので、読んだ方も、いらっしゃいますか?死を目前に控えた、元大学の恩師の元に、毎週火曜日に訪れて、最後の人生のレッスンを乞うという、実話ですが、世界、死、後悔、友情などについて、Morrie先生の言葉が集められていて、英知と温かさに惹かれ、私も、一度といわず、手元において、何度も目を通しています。その中の一つ。Morrie先生は、お葬式の時に集まる人々が、死亡した人について、すごく良いことを話したりというのを、”What a waste. All those people saying all those wonderful things, and I’ve never got to hear any of it.” ということで、家族と友達を集めて、living funeral 生前に自分の葬儀を開いて、一人一人からの言葉を聞いたという話があるのですが、
お葬式の連絡が入ってから、駆けつけても、もう話もできないんだ、
そんなことなら、
生きているうちに、できるだけ会って、話もいっぱいしておきたい、なかなか、会う機会が作れないなんて、言うのはやめにしなくちゃ。
Morrie先生の言葉から学び、思いがけず、The Great Gastbyの悪だまの親分の言葉で、再び、Morrie先生の大切なレッスンを思い出しました。

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2013年5月27日月曜日

洋書:A Thousand Years of Good Prayer


最近、short stories, 短編の魅力にすっかり惹かれているのですが、こちらのA Thousand Years of Good Prayer: Storiesは、この前、日本に帰国した時、翻訳本を本屋さんでみかけて、日本でも評判なのかな?と思ったので、アメリカに戻ってから、原書を読んだのが、きっかけです。著者は、中国出身で、アメリカに、留学生として来て、creative writingも勉強したとのことですが、こちらのA Thousand Years of Good Prayer: Storiesがデビュー作で、Frank O’Connor International Short Story Award, PEN/Hemmingway Awardなど、幾つかの賞を受賞しています。共産国中国での生活にまつわる短編、アメリカで生活する中国系アメリカ人にまつわる短編が、集められた短編集で、簡潔で、ほのかにユーモアが感じられる文章で、独特の雰囲気がかもしだされ、またまた、これが、短編の魅力と感じました。A Thousand Years of Good Prayerと題名にもなっている短編が、私は、一番好きなのですが、映画The Great Gatsbyを観て、こちらの短編を、また、思い出したところです。A Thousand Years of Good Prayerは、元中国で、宇宙開発に関する極秘の仕事に関わっていたというアメリカで老後を過ごす父親と、その娘との間のやりとりなのですが、a thousand years of good prayerというのは、老人と親しくなった友達との出会いを、こういう素晴らしい出会いは、前世からのa thousand years of good prayerのおかげというような話からでしょうか。いいですね。人との出会いをそんな特別なことと思えるのって。それとは、全然違うのですが、娘が、こちらの父も、昔の宇宙開発に関係した過去を、今でも、引き続き生きている、そんな過去ではなくて、今、目の前にある素晴らしいものに目を向けて、というメッセージを送るところが、The Great Gatsbyの過去を取り戻そうとするGatsbyに重なりました。過去ではなく、今現在を生きることの大切さ、良い過去、悪い過去に関わらず、今を生きるということ、繰り返し繰り返し肝に銘じなければと思っていることですが、再び。

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2013年5月24日金曜日

洋画:The Great Gatsby

The Great Gatsby観てきました。とってもよかったです。物語の語り出しも、原書と同じで、原書の言葉が、せりふの随所に用いられていて、まるっきり原書に忠実というわけではなかったのですけど、すごく近く感じました。
物語は、Nickが、精神科のお医者様に話しをしている場面から始まるのですが、Gatsbyについて、Hopeに輝く、人生で数えるくらいしか出会うことがない笑顔の持ち主だったと、回顧していて、そうか、この、Hopeというのが、Gatsbyの魅力だったんだな、とか、Gatsbyが、Daisyと初めて会った頃、どんな女の子でも、こんな風に見詰めて欲しいと思うようなまなざしで、Daisyをみつめていたとか、原書を読んだだけでは、はっきりつかめなかったGatsbyの魅力が、映画を通して、視覚的に、はっきりつかむことができたのが、映画を観て一番よかった点でしょうか。
アメリカでは、Old Money, New Moneyという言葉があって、あの人は、Old Moneyの出身だから、というような言い方が、今でも、使われていますが、 映画の後のほうの、GatsbyとDaisyのだんなさんのThomasの口論の場面で、歴史の長い裕福な家庭のOld Money出身のThomasが、新しく富を築いたNew MoneyのGatsbyに向かって、Old Money出身のDaisyも含めて、自分達とGatsbyとは、いくら、Gatsbyが、大富豪になったところで、違った人間なんだというようなやりとりがあって、水辺を挟んで、Gatsbyの豪邸も含まれるNew Moneyの豪邸が続く西岸と、Daisyの住むOld Moneyの豪邸の続く東岸の水に阻まれた距離も、GatsbyとDaisyの離れている距離の大きさ象徴しているように感じました。 最後に選んだDaisyの選択がどうのというよりは、 向こう岸のDaisyの家の緑のランプを見ながら、いつか再会を果たして、Daisyとの生活に希望を持ち続けていたGatsbyについて、前にあるようにいつもみつめていた緑のランプは、実は、後ろにあるものだったんだ、というようなせりふがあって、 The Great Gatsbyの主題について、幾つか、言葉があがっていますが、 私としては、このせりふの、過去は、すでに自分の後ろにあるもということが、一番のメッセージとなりました。
1920年代というと、flapperなど、ファションとして、すごく特徴のある時代のはずなのですけど、それほど、衣装を、楽しめなかったのと、音楽も、パーテイーの場面などでは、今風のヒップホップ風な音楽も混じっていて、1920年という時代に沿ったjazzが聞けたらよかったのになと、その点が、ちょっと残念でしたけど、1920年が、古い古い昔という感じではなく、もう少し、今に近く感じられたので、それはそれで、よかったのかな?
全然話は違いますけど、私は、いつも、The Great Gatsbyの“Great”という言葉が、“華麗なる”って訳されたこと、すごいなって思うんです。“Great”っていうと、偉大なるとか、すばらしいとか、そんな堅苦しい言葉がでてきてしまいそうですけど、この、“華麗なる”って、映画を観た後、ますます、すごくぴったりな言葉だなって、思いました。
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2013年5月21日火曜日

洋書:The Great Gatsby

アーネストヘミングウェイに興味をもったことから続き、F. Scott Fitzgeraldです。今、レオナルドデイカプリオ主演の新しい映画、The Great Gatsbyが公開中なので、そちらの方も、観にいきたいなと思っているところなのですが。
さて、F. Scott Fitzgeraldについてですが、ヘミングウェイが、1920年代にパリに滞在中、親交があったということで、奥さんのZeldaと共に、ヘミングウェイの回顧的な小説A Moveable Feastにも、F. Scott Fitzgeraldの話がでてくるのですが、お金持ちで、お酒におぼれるような生活の中、The Great Gatsbyは、名作として残したというような話でしょうか。The Great Gatsbyの書き出しには、”Once again To Zelda”と、奥さんのZeldaに捧げると書かれているのですが、ヘミングウェイ曰くだと、Zeldaさん、内助の功というよりは、自身も小説家で、F. Scott Fitzgeraldに嫉妬するというか、彼が集中して執筆に向かうことに、邪魔をしたような。彼女自身についての書籍も出版されています。
そして、洋書:The Great Gatsbyについてですが、Large Print Editionの大きな文字の版で読んで、 245ページなので、小説としては、短く感じました。昔、ロバートレッドフォード主演で、“華麗なるギャッツビー“という題名で、日本でも映画が公開されたかと思いますが(どなたか、観られた方、いらっしゃいますか?)、昭和49年初版で、昭和50年に増版された、新潮文庫”華麗なるギャッツビー“の文庫を、手にとってみているところなのですが、映画の場面の素敵な写真が表紙になっています。野崎孝氏日本語訳の”華麗なるギャッツビー“も、読んでみたいと思っているところなのですが、後ろの解説に、F. Scott Fitzgeraldについてと、The Great Gatsbyについての解説が含まれているので、こちらの本の時代的背景などを、ざっと把握するには、こういう解説を読むと、分かりやすいですね。
1920年代というと、Jazz Age, Roaring Twenties, Lost Generationなどといわれ、第一次世界大戦後の影響もみられる時代ですが、”The Great Gatsby “のGatsbyも、その一人です。Gatsbyが、昔貧しさから、結ばれることがなかった元恋人、Daisyを、変わることなく求め続け、名前を変えて、巨大な富を築いた後、再会を果たすという物語が、Daisyと繫がりがあり、Gatsbyの隣人となった、主人公Nickの語りを通して進められます。
Chapter VIのNickとGatsbyの会話のGatsbyの言葉"Can't repeat the past?" he cries incredulously. "Why of course you can!" "I'm going to fix everything just the way it was before,” he said, nodding determinedly. に、この物語の中心となるGatsbyの信念が込められているように感じましたが、皆さんは、思いを果たすことができなかった恋人との過去をやり直すことは、できると思いますか?
私は、最後の結末で、誰が悪いというわけでもない、何か、答えのない虚空を見せられたように感じました。

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2013年5月17日金曜日

洋書短編集:News from Heaven

短編の魅力を再発見という感じでしょうか。 初めて読むJennifer Haighの短編集でしたが、New York Times Bestselling Authorということで、PEN/Hemingway Awardなどの幾つかの賞を受賞されている作家の方です。 洋書:News from Heavenは、最新の短編集ですが、架空の、寂れてしまった元炭鉱の町に関わる幾人かのshort storiesが、つなぎ合わされています。時代も、1940年代ぐらいからと、幅があるのですが、ポーランド系の移民を中心に、炭鉱の繁栄と衰退とともに、貧しさにあえぎながらも、小さな町に留まって生活を続ける者と、都会へと離れた者のそれぞれの人生が、短編という、短い物語の中に、ぎっしりと凝縮されて、描かれていて、なんとも言えない、抑えたもの悲しさが漂う、不思議な魅力とともに、一編ごとが、心に染みる短編集となっています。 これが、短編の魅力の真髄と感じるような、そんな作品に出会ったように感じました。
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2013年5月9日木曜日

池坊生け花展 in コロラド

先週末立ち寄った、アメリカ、コロラド州、ボーダー市内の公立図書館では、日本の池坊の生け花展が開かれていました。名前を拝見したところでは、日本人名は見当たらず、皆さん、アメリカ人のようでしたが、日本の生け花と比べて、いかがでしょうか?幾つか、作品をご紹介します。 コロラド州のボーダー市は、山、川、森林、野生動物に囲まれた、自然に恵まれた学園都市です。こちらの公立図書館では、絵画などの展示の他、小さなコンサートホールで、演奏会などが催されます。すぐ裏手に、川に沿ったウオーキング&マラソンコースもあります。とっても環境のよい図書館です。 以下のランキングに参加しています。よろしかったら、クリックをお願いいたします。
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