2014年12月31日水曜日

水の精のファンタシー物語


先日ご紹介した、吉田都さん主演のロイヤルバレエ団公演の”Ondine”の解説を読んで、Ondine の元となった、19世紀に出版されたドイツの妖精の物語”Undine”に興味を持ち、20世紀初頭に出版されたという、William Leonard Courtneyによる英語の翻訳本を探しているところなのですが、まだ、みつからないので、先に、高学年児童向けのMary Pope Osborne著“Haunted Waters”を読んでみました。Mary Pope Osborneは、The Magic Tree Houseのシリーズで、人気の作家ですね。“Haunted Waters”は、原書の現代語訳というわけではなく、Mary Pope Osborneが、”Undine”を元に、独自の創作をした物語ということで、設定などが、元の物語とは違っていて、Undineにまつわる背景には、何かこわい存在があると感じられるような、ミステリーというのでしょうか、スリラーというのでしょうか、の雰囲気も加えられています。主人公の水の精と身分の高い男性が、恋に落ち、困難を迎えるという大方の話の筋は、同じですが、最後の結末は、男性の死ではなく、深い海の底の海の王の宮廷に暮らし、eternity of waterの中で、二人で生きていくというものになっています。



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2014年12月28日日曜日

バレエ史に残るロミオとジュリエット


先日鑑賞した、吉田都さん主演のロイヤルバレエ団によるOndineの解説書に、“Frederick Ashtonが、バレリーナであるMargot Fonteynのために創作した”との記載があって、わざわざ、振付師が、新しいバレエを創作するほどのバレリーナなんて、すごい!と、興味が沸いたものですから、The Royal Ballet with Rudolf Nureyev and Margot Fonteyn in Romeo and JulietのDVDを鑑賞してみました。1966年の公演の録画でしょうか。最近のライブの公演の録画と違い、観客もオーケストラも映らず、3幕のそれぞれの最初に、字幕による、筋の要約が表示され、バレエの演技が始まるというように、DVD鑑賞用に編集されているので、物語を知らずに観ても、筋が追えるようになっています。舞台芸術は、美術部の絵画を思わせる、昔は、舞台ってこんな感じだったんだなと思わせるもので、最近のハイテクっぽい舞台との比較にもなりました。Margot Fonteynは、歴史に名を残すといわれているほどのバレリーナーとのことですが、初めて観て、もう、最初に出てきた時から、きれい!という印象を与えるほどでした。Rudolf Nureyevとのペアーとしても、他の作品も含めて活躍されたとのことですが、こちらのRomeo and Julietが有名なようですね。物語は、シェイクスピアの作品として、知っていましたが、お芝居も映画もバレエも観たことがなかったので、初めての映像で楽しむRomeo and Julietとなりました。



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2014年12月27日土曜日

吉田都主演バレエOndineのDVD


今年の秋、日本へ一時帰国した際、バレリーナ吉田都さんの記事を読み、吉田都さんの活躍を初めて知ったのですが、こちらのDVDで、初めて吉田都さんの踊りを観ることができました。物語の内容は、知らず、いきなりの鑑賞だったのですが、登場人物の詳細を知らずに鑑賞しても、吉田都さんは、妖精かな?と分かるくらい、吉田都さんの踊り、素晴らしかったですし、こんな話なのかな?と推測でき、分かりやすい舞台でした。DVDについている、バレエOndineが創り上げられた解説と舞台の3幕が紹介されている解説書も、とても参考になりました。登場人物で、?と思ってしまった数名がいたので、やっぱり、解説書を読んでから鑑賞した方が、よかったです。Ondineについては、水の精が、人間の男性と恋に落ち、悲しい結末で終わる物語ですが、こういう、妖精のようなお話と、悲劇の恋の物語は、イギリスという感じがしませんか?こちらのバレエの舞台も、神秘的な雰囲気がいっぱいでした。こういう舞台を観ると、イギリスの物語とか舞台の歴史の長さを感じます。



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2014年12月24日水曜日

シェイクスピアの経歴と時代背景


上記の高学年向けの児童書は、シェイクスピアの時代背景と経歴と活躍を知るための参考書となりました。どちらも、シェイクスピアの生い立ちから、年代ごとに、紹介されているので、シェイクスピアの歩みが、分かりやすくなっています。

Shakespeare His Work and His Worldは、読み物の形式で、挿絵をふんだんに盛り込みながら、文章により、Shakespeareの時代背景、歴史上記録に残っているShakespeareの経歴、当時の学校の様子、Shakespeareが創設に参加した劇団と劇場、幾つかのShakespeareの作品についての解説、Shakespeareの遺言、hint, lonely, excellent, gloomyなどShakespeareの作品で使い出され、現在でも用いられている言葉、To be, or not to be; that is the question(Hamletより)など、Shakespeareの作品の名せりふなどが、紹介されています。私は、こちらの本に目を通して、言語に関するシェイクスピアの遺産というものに、興味が沸いて、そういえば、シェイクスピアお芝居で有名な言い回しがあったなとか思ったのですが、現代でも使われているシェイクスピアの作品の中から誕生した言葉を、もう少し、調べてみたいなと思いました。そういう意味では、児童書では、物足りないので、大人向けの専門書を探す予定です。

Dorling Kindersley Eyewitness Booksのシリーズは、どの本をとっても、高品質という感じですが、Shakespeareに関する本もよかったです。私が目を通したのは、2002年版なのですが、最新版が、もうすぐ発売されるようですね。こちらの本は、写真による実例のそれぞれに説明文がつけられているのですが、写真が大きく、詳細までみやすく、例が多彩です。同じく、シェイクスピアの生い立ちから年代順に構成されていて、Shakespeareの生地、当時の学校での勉強用具、宗教、田舎の暮らし(家畜、農作、植物)、レジャー、当時のロンドンの様子、エリザベス女王、劇の創作、戦争、疫病、劇の保護者と反対者、当時の劇場の様子、Shakespeareが参加した劇団と劇場、舞台の装置、音楽楽器、当時の服装と舞台衣装、女装の男優、観客、Shakespeareの作品、当時の科学と迷信、Shakespeareの最後、本の出版などの章となっています。こちらの本で目を引いたのは、お芝居に用いられた凝った仕掛けなどの劇場関係の他、エリザベス女王が、旅行の時に持ち歩いたという小さな3段の仕切りのあるTravel Booksなのですが、当時、すでに、本があったというのに、びっくりしませんか? 



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2014年12月23日火曜日

児童書でシェイクスピア入門


英文学というと、シェイクスピアは、外せないという感じですが、シェイクスピア当時の英語で、お芝居の内容を楽しむのでは、再び、なかなか、どっこい、はなから、落伍ということになってしまうので、シェイクスピアについても、高学年向きの児童書から、入っていくことにしました。児童書向けだと、本当に、なじみやすいですね。

まず、The Random House Book of Shakespeare Storeisですが、日本でいったら、昔あった(今でもありますでしょうか?)少年少女世界文学全集に入っていたら、こんな感じだったのかな?と思うような読み物形式で、挿絵入りになっています。含まれている物語は以下の通りです。
(1) A Midsummer Night’s Dream, (2) Kind Henry The Fifth, (3) Romeo And Juliet, (4) Macbeth, (5) Antony And Cleopatra, (6) Twelfth Night, (7) Hamlet, (8) The Tempest.
それぞれの物語の最初にお芝居の紹介として、登場人物と場所と時代が明記されたページが1枚あり、それぞれ、全12,3ページぐらいなので、楽に読みきれるようになっています。

シェイクスピア唯一のオリジナル創作の物語というThe Tempestについては、絵本形式になっている、William Shakespeare’s The Tempestが、よかったです。絵本といっても、小さな子供が読むものとは違い、英単語も文章も、大人でも楽しめる絵本という感じですが、見開き2ページのうちの1ページが、原画を観て見たいなと思うほどの挿絵で、とても惹かれる一冊でした。

Bravo Mr. William Shakespeare!には、以下の7話が収められています。
(1) As You Like It, (2) Antony and Cleopatra, (3) Richard III, (4) Twelfth Night, (5) Kind Lear, (6) The Merchant of Venice、(7) Much Ado About Nothing
マンガ形式になっていて、マンガで読むシェイクスピアという感じでしょうか。コマの登場人物のせりふは、シェイクスピアのオリジナルのせりふが書かれていて、シェイクスピア当時の舞台の雰囲気も、ちょっと味わえるようになっていて、それぞれのコマに添えられている、現代語訳の短い文章によって、物語全体を読み進んでいけるようになっています。

何冊か、現代語訳の書き直しを読むと、物語の始まりから、違っていたりで、書き直しの作品も、それぞれ、ちょっとずつ違っているんだなということも、意外な発見となりました。



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2014年12月20日土曜日

バレエジゼルの児童書とDVD


もうすぐ、クリスマスですね。皆さんは、何か、楽しいクリスマスの予定はあおりですか? 私は、高校生の時から、毎年12月には、くるみ割り人形のバレエの舞台を観ていたせいか、12月になると、クラッシックバレエが観たくなります。今年は、生のくるみ割り人形の舞台を観に行くことはないかなというところなのですが、家で、バレエのDVDをたくさんみたいなと思っていて、まず、Dutch National Ballet のGiselleを観てみました。昔、森下洋子さんが、ジゼルで有名でしたよね?日本にいた時、観損ねてしまったと思って、ずっと気になっていたのですが、“ジゼル”が、どんな物語なのか、知らなかったので、まず、高学年向けの児童書、:The Magic of the Ballet Giselle”で、物語の把握を。いきなりバレエを観ても、物語がよくつかめなかったりすることがあるので、ミュージカルとかもですが、観劇の前に、物語を読んでおくようにしています。The Magic of the Ballet Giselleは、Giselleの現代語訳の物語プラス挿絵の他、クラシックバレエとGiselleの初公演についての短い解説文が添えられていて、バレエについてのさわりの知識も得られるようになっています。全25ページ、読みやすい内容だったので、DVD鑑賞前の前知識を得るには、とても役に立ちました。 Dutch National BalletのGiselleもよかったです。オリジナルの振り付けに新しい振り付けを加えたとのことですが、クラシックバレエの色彩で、特に第二幕は、幻想的で美しかったです。

The Magic of the Balletには、他に、The Nutcracker, Swan Lake, Sleeping Beautyがあります。



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2014年12月14日日曜日

絵本で古典英文学入門


英文学史を勉強し直すことも、来年の読書の一つに挙げているのですが、古典の詩は、難しいです。昔の英語というだけではなく、韻というか、音の美しさを楽しむとか、一節の区切り方とか、日本の詩でいったら、倒置法とか、そんな感じの表現技法の決まりも未知の世界だし、英語を母国語としない私には、どこがそんなにいいものやら???という感じで。大人向けの専門書のようなものでは、なかなか、入っていけなかったのですが、Juvenile Nonfiction高学年児童むけのPoetry for Young Peopleのシリーズをみつけ、一挙に、世界が拓けたように感じました。絵本の形式で、英文学専門の大学教授によって編集され、詩人の略歴が紹介され、幾つかの詩集から抜粋された詩の一つ一つに、短い紹介文と詩に用いられるような特殊な単語などの現代同意語が添えられていて、簡単な古典の詩の入門書のような作りになっています。児童書からとっつきにくい古典へも馴染みやすくなりそうです。



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2014年11月18日火曜日

鶴見総持寺で英語参禅

日本一時帰国中、神奈川県鶴見の曹洞宗大本山総持寺で、英語による座禅の講習会に参加しました。初めての体験です。
日本語での参禅だと、先着100名までということになっているので、もしや、先着にもれてしまってはと思い、英語での参禅の方にしたのですが、私の他、白人男性2名と、アジア人の男性1名と彼の付き添いの日本人男性1名というグループでした。
英語が話せる僧侶2名に本堂内を案内していただくことから始まり、参禅の部屋へと入りました。こちらでは、日本語だけを話される僧侶の方が日本語で座禅の説明をされ、英語での通訳がありました。座禅の部屋は、やはり、独特の雰囲気がありました。畳の部屋ではなく、縁側のような細い畳敷きの上に、高さのある丸い座布団を置いて、すぐ前にある壁に向かっての座禅となります。この縁側のような場所に乗るために、淵の部分に足が触れないように乗り上げるなどの作法があって、結構高いので、むずかしかったです。座禅のポースとして、足の組み方と手の組み方、体の一番安定する場所の決め方を教えていただいたのですが、足首が堅くて、両足を組む結跏趺坐は、とんでもなくて、半跏趺坐も、あれ?あれ?という感じで、あぐらでいいですよの声に救われました。はなから、落第生っぽかったのですが、練習を続ければ、きれいなポーズが組めるようになりますよ、と、励ましていただきました。お寺での座禅というと、ちょっと体が動いてしまったりすると、バシっと後ろから、カツがはいったりするのかなと思って、とてもとても無理と思っていたのですが、もし、自分の心が乱れてしまっていると感じ、励ましが欲しいという場合には、右手を挙げて下さい。その場合には、最初に、肩を軽くたたき、その後、(正式にはなんというのか分からないのですが)一打いただくということで、自発的に申し出るということになっていたので、ドキドキ、ハラハラもなかったです。呼吸法と目線の指導もしていただいて、座禅の時間は、20分ぐらいだったように感じました。
12月とおっしゃっていたかと思うのですが、普段は、一般の参禅者は入れない、僧侶だけの修行の場にも参加できる日も設けられているとのことでした。

私が、せっかくだから、日本滞在中、座禅を経験してみたいと思ったのは、日本帰国前に、アメリカの作家、Natalie Goldbergの書籍を幾つか読んだからです。Natalie Goldbergは、出版の他、文章の創作などについてのワークショップを各地で開いているとのことなのですが、アメリカで、日本人の老師の元、禅の修業を積んだことがあり、彼女の書籍には、禅からの学びの応用が書かれていて、特に、歩きながらの禅の話を読んで、どういうものなのかな?と思ったので、今回の参禅へと繫がりました。参禅の後、僧侶の方から、何か、質問はありますか?という時間を設けていただけたので、歩く禅の説明もしていただけて、実際に、見せていただけたので、疑問が晴れました。座禅の経験もできたところで、また、Natalie Goldbergの本を読む予定です。




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2014年11月14日金曜日

私の日本語は英語訛り?

お久しぶりです。皆様、お変わりなくお元気ですか?
9月と10月、日本へ一時帰国をして、毎日、出かけたことがない所に出かけたり、初めての経験をしてみようと、"毎日”と思って、ちゃかちゃか出かけたせいか、本当に、色々と新しい場所や人、そしておいしい食べ物との出会いに恵まれました。
そして、ちょっと話は違いますが、今回始めて、えっ、そうなのかな?って、思ったのが、私の日本語、英語っぽいっていうか、なんとなく、響きが違うっていうか、なんか、日本人がしゃべっているのと違って聞こえるみたいなんです。アメリカで生活していても、たまに、日本人の方とおしゃべりする機会があるので、こちらでも、日本語を話す機会はあって、そんな時は、どうってことなく、おしゃべりしているのですけど。やっぱり、日本を離れて、長くなってくると、日本語を読んだり書いたりが弱くなっちゃうとか、おしゃべりするにしても、あまり使わないような固有名詞は忘れちゃうとかはあるのですけど、別に、変わっちゃったって、感じるほどではないんですよね。
今回の帰国の際、着いて、2-3日ぐらいして、まだ、あまり日本語を喋っていない時に、お友達と会ったら、私の日本語は、海外帰国子女が、日本語をしゃべっているみたいで、日本語の響きが、変になっちゃってるよって言われたんです。えっー、どこが?って聞いても、なんか、変だよって。私は日本語もスラスラでてくるし、全然問題なんてないよって、その時は、お友達にからかわれているんだと思っていたのですけど。
後日、ハイキングコースで、たまたま一緒になった方に、"お国はどちらですか?”って聞かれて、それが、東京とか福島とか長崎とかを聞いている"お国”じゃなくて、日本とか韓国とかフランスとか、そういうお国を意味しているんだってわかって、えっ?って、びっくりしちゃったんです。東京出身で標準語で育ったので、他の日本人の方から、お国はどちらですか?って、聞かれたこともなかったもの。もう、この時も、びっくりしちゃったんですけど、私の日本語、なんか、ちがいますか?ってお聞きしたら、ちゃんとしゃべっていて、全部正しいんだけど、イントネーションが違うっていうか、日本人が普段しゃべっているのと、響きが違うっていうか、そうそう、あのテニスの錦織選手も、ずっとアメリカにいっていたから、インタビューの時の日本語が、ちょっと違ってるでしょ、あんな感じって、お話だったんです。それじゃ、お友達が、海外帰国子女っぽい日本語っていったの、本当だったのかな?とか思って、そういえば、何年か前に、浅草のおみやげ物屋さんに行った時も、どちらからいらしたんですか?って聞かれて、都内ですって答えたら、えっ?って感じだったなとか。私の日本語、日本人っぽくなくなってきちゃったのかな?
長くアメリカにいるからって、英語が、ネイテイブみたいな発音になるわけじゃなくて、このまま日本語訛りのままの英語なんだろうし、
それで、日本語まで、母国語をしゃべっているように響かなくなっちゃたら、どちらもなんか変って感じですよね。
ということで、最近、日本語強化とか言って、日本語に触れる機会を、意識して、もっと増やさなくちゃと思っています。日本語の勉強もしなくちゃかな。




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2014年7月1日火曜日

空港での手順とサインを学ぶ絵本


洋書絵本:Yoko Finds Her Way
著者&イラストレーター:Rosemary Wells

図書館の児童書の新刊コーナーで、表紙の“YOKO”という大きな文字を見て、あれ?と手に取りました。1ページに2-3行ずつの文章、全23ページ。トラ猫のYokoとYokoのお母さんの元に、郵便で、日本への航空券が届き、"明日、日本へ飛行機で行きますよ!“ということから始まり、スーツケースに荷物をつめ、翌日、車で、空港へと向かうのですが、Yokoとお母さん猫の出国の手順を辿りながら、飛行機による旅の手順と、道筋の空港への標識、空港到着後の各航空会社ごとに表示されたウィング、駐車場のサイン、カートのサイン、電車のサイン、通関の荷物検査のサイン、持ち込み禁止物のサイン、など、空港に関するサインが、学べるようになっています。そして、途中、一人で、トイレに行ったYokoが、出口を間違ってしまったことで、万が一、一人で迷ってしまった場合には、どこに助けを求めに行ったらいいのかということも、サインと共に、学べるようになっています。各ページは、メインの絵の部分と、サインだけが取り出された部分、文章の部分で構成されているので、大切なサインが、一目でわかるように工夫されています。
お母さん猫が、着物をきていたり、手荷物検査の時には、靴を脱ぐということが、お母さん猫の場合には、足袋と草履だったりと、名前だけ、たまたま、Yokoという日本の女の子の名前というのではなく、日本の女の子猫Yokoが、主人公になっています。あずきアイスまででてきて、著者兼イラストレーターは、日系アメリカ人なのかな?と思って、ウェブサイトを検索してみたのですが、日系ではなさそうな。表紙は和紙からのコピーのようです。



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2014年6月22日日曜日

アメリカ旅行安全対策

その1:ハイキング中などの防犯

もうすぐ、夏休みということで、アメリカへの旅行を計画されていらっしゃる方も、いらっしゃいますでしょうか?私も、イエローストーン国立公園に出かけたばかりのところで、今の時期、熊に注意ということで、熊対策用に、bear sprayとbear bellを用意したりと、野生動物との事故への備えばかりが、頭にあったのですが、イエローストーン国立公園からの帰りに一泊したホテルで、一般向けに開講されていた、護身術の講師として出張中という、現役の警察官の方とお話する機会があり、日本から、アメリカに訪問する予定の方にも、アメリカでは、そのくらい、注意が喚起されているんだということで、ご紹介できればと思いました。アメリカで生活していると、安全に対する注意が、桁はずれですね。あまり、神経質になってもとは思いますが、アメリカで、事故に遭わない対策の一つとして、ご参考までに。

まず、警察官の方からの実例では、2-3年前に、国立公園内で、実際にあった事故の例のお話だったのですが、女性2人が、それぞれの馬に乗って、ハイキングコースを散策中、一人の女性の馬の後ろから、ナイフを持った男性が、飛び乗ってきて、女性をはがいじめして、ナイフで、切り付け出したということだったのですが、 ここで、警察官の方から、こういう状況で、皆がおこす、一番の間違いは、何でしょう?という質問で、
自分の車に向かって、逃げ出して、自分の車で、逃げようとすることだということでした。
車に監禁されて、逃げ場を失うことが一番危険ということで、
殺人までに至った不幸な例は、どれも、車に逃げ込んだものだということです。
それで、この国立公園内で事故にあった実例の女性達も、どうやって助かったかというと、
一人の女性が、近くにあった石を拾って、それで、犯人をなぐりつけて、犯人が、逃げて行ったということなのですが、
警察官の方曰く、とにかく、fight back。護身用具を持っていない場合には、石など、近くにあるものを、すばやくみつけて、fight backするようにとのことです。 ハイキングコースへは、一人では入らないということは、野性動物に遭遇する危険を踏まえたうえでも、避けるようにといわれていることですが、野生動物対策以外でも、人気のないところに入る時には、前方だけではなく、自分の回りの360度すべてに気を配るなど、安全のチェックも大切ですね。Unfortunatelyということで、誰でも入れる国立公園などでは、どんな人がいるかわからないというぐらいの注意も必要ということです。
それで、大丈夫かな?ということで、ハイキングコースなどに入ることに、しり込みばかりで、せっかくの旅行が、100%満喫できなくても、残念かと思いますが、国立公園(national park)には、ranger programsというのがあって、主な観光スポットには、rangerのガイドによる色々なtourが用意されていることがあります。有料であったり、無料であったり、予約が必要であったり、予約は必要なく、決められた時間に、指定の場所に集合すれば、参加できたりと、色々ですが、個人旅行で、国立公園に訪れている場合には、こういった、ranger programsに参加するのも、安全に見て回れる方法かと思います。Rangerの説明を聞いたり、色々な質問ができて、勉強になることもありますし、色々な観光客の方との出会いもありますし。
国立公園のranger programsは、たとえば、イエローストーン国立公園(Yellowstone National Park)のranger programsと検索すると、開催されているprogramsが、閲覧できます。



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2014年6月18日水曜日

イエローストン国立公園内の本屋さん



アメリカ、ワイオミング州にある、イエローストン国立公園に、旅行してきました。とにかく、広かったです。Geyser=間欠泉の観光スポットだけでも、West Thumb Geyser Basin, Upper Geyser Basin, Midway Geyser Basin, Lower Geyser Basin, Norris Geyser Basin, Mammoth Hot Springs, そして、Lake Area から Canyon Villageにかけてとあって、それぞれの場所に、それぞれの、色とりどりのGeyserがありました。宿泊施設がある場所には、general storeもあって、お土産物なども、売られていましたが, 上の写真のNorris Geyser Basinで見かけた、Bookstoreは、私が、公園内で、見かけた、唯一の"Bookstore"です。中は、一間という感じぐらいで、狭かったのですが、イエローストン国立公園関連の書籍と、ギフト用品が売られていました。

その他のgeyserのご紹介を少し。こちらは、Midway Geyser Basinにある、Grand Prismatic Springです。純度100%という感じの、アクア色のspringから立ち上る蒸気が、水色やオレンジ色に見えます。

Mammoth Hot Springs の、Upper Terrace Areaです。



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2014年6月17日火曜日

モンタナ州のブックカフェ


アメリカ、モンタナ州、Gardinerでみつけた、Tumbleweed Bookstore and Cafeです。先週、イエローストーン国立公園に出かけた時に、おまけで、立ち寄りました。イエローストーン国立公園は、ワイオミング州になりますが、公園北の入園口から出て、ほんの少しの距離で、モンタナ州、Gardinerに到着です。

入ってすぐのところが、カフェのカウンター。キッチンでは、自家製のアップルパイを作っている最中でした。


新刊書と古本を取り扱っているということですが、どちらかというと、蔵書をたくさん並べることより、ゆったりとしたスペースで、ゆったりと読書を楽しんで欲しいという感じの、お店作りのように感じました。

場所柄、イエローストーン国立公園や、ウェスタン関連の書籍、地元モンタナの料理本などが、目につきました。huckleberryは、ラズベリーやブルーベリーのような、ベリー一種ですが、この辺りで採れる、地元の味です。



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2014年4月25日金曜日

スミレの花とビクトリアン結婚式

ビクトリアンの時代には、langauge of flowers、花言葉に思いを託していたというためでしょうか。ビクトリアン風の結婚式というと、violet スミレの花をよくみかけます。
violetの花言葉=貞節
青(日本だと紫でしょうか)のvioletの花言葉=誠実
白いvioletの花言葉=Let's take a chance on happiness.

うちの裏庭に咲いている、野生のスミレの花です。園芸店などで販売されているスミレに比べると、ずいぶんとこぶりですが、素朴な可憐さがあります。



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2014年4月22日火曜日

ウェデイング関連の洋書雑誌


春といえば、きれいな花嫁さんを見かける時期ですね。ウェデイング関係の雑誌で、日本の桜の花を思い浮かべる、花に囲まれた、花嫁&花婿の写真を見かけて、日本でも、結婚式のシーズンなんだろうなと思いました。
ウェデイング関係の雑誌によると、仕立て直しなどに時間がかかるということで、ウェデイングドレス選びは、結婚式の10ヶ月前から開始、その前に、どんな結婚式にするか、費用はどれくらいかということを検討する必要があるので、結婚式の計画は、12ヶ月前から、という計画表をみて、ということは、来年の春の結婚式となると、気が早いようですが、そろそろ、計画開始の時期のようです。
ウェデイング関係の雑誌の中心は、広告というか、デザイナーごとの、ウェデイングドレスの写真が中心になっています。
そして、化粧品用品や、ウェデイングケーキ、ウェデイングパーテイーのデザインなどの記事が、少し、加えられているような感じなのですが、Martha Stewart Weddingsが、ウェデイングドレス以外の記事も一番充実しているように見受けられます。

ウェブサイトは、marthastewartweddingsドットコムです。
その他の雑誌には、
Brides(bridesドットコム)
Bridal Guide(bridalguideドットコム)
などがあります。



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2014年4月21日月曜日

自由の女神のソネット

まだアメリカで生活するようになる前に、日本の図書館で、ユダヤ系アメリカ人の女流詩人、Emma Lazarus(1849-1887)の、Statue of Liberty自由の女神に飾られているという、彼女の”The New Colossus”という題名のsonnetの和訳を読み、とても惹かれ、アメリカに行ったら、是非、英文で読んでみたいと思いながら、そのままにしていたのですが、“アンネの日記”を再読したことで、ものすごく遅ればせながら、思いを実現させました。
アンネフランクの父、オットーフランク氏が、ナチの強制収容所から、ロシア軍によって、開放されたということを知り、歴史の矛盾の不思議さというようなことを感じましたが、Emma Lazarus(1849-1887)の”The New Colossus”は、ロシア国内における、ポグロムと呼ばれた、ユダヤ人大量虐殺を逃れ、アメリカに移民してきた、ロシア系ユダヤ人を助けた経験を元に、詠われたものです。
今でこそ、イスラエルという国をもつ国民となりましたが、第二次世界大戦中までは、“祖国を持たない流浪の民”として、迫害をくぐりぬけてきたユダヤ民族のことを思うと、こちらの詩が詠まれた当時の、熱い思いが、伝わってくるようです。

“The New Colossus”
Not like the brazen giant of Greek Fame,
With conquering limbs astride from land to land;
Here at our sea-washed, sunset gates shall stand
A mighty woman with a torch, whose flame
Is the imprisoned lightening, and her name
Mother of Exiles. From her beacon-hand
Glows world-wide welcome; her mild eyes command
The air-bridged harbor that twin cities frame.
“Keep, ancient lands, your stories pomp!” cries she
With silent lips. “Give me your tired, your poor,
Your huddled masses yearning to breathe free,
The wretched refuse of your teeming shore.
Send these, the homeless, tempest-tost to me.
I lift my lamp beside the golden door!



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2014年4月20日日曜日

アンネの父、Otto Frank氏に学ぶ


“アンネの日記“を、小学校高学年の時に読んで以来の、再読となりましたが、Youtubeを通して、アンネフランクの父、Otto Frank氏や、アンネフランクの友達であった、Eva Schloss、Hanneli Goslarなどの、肉声のアンネにまつわるインタビューを聞くことができて、“アンネの日記”だけではなく、もう少し、膨らみのある知識が得られるきっかけになったことも、今回、洋書空間michibookさん企画の、“アンネとお茶を”に参加させていただいたメリットの一つでした。

そして、Youtubeで、フランク一家及び数名が、あのsecret annexに隠れ住んでいることを、密告した裏切り者は誰なのか?というような、追跡調査が行われて、未だに、判明されていないということも、知ったのですが、実際に、フランク一家及び数名を、発見、逮捕した、元ゲシュタポは、確認されているということで、戦後、ナチの戦犯を起訴するユダヤ人の団体が、フランク氏に、この元ゲシュタポを、逮捕の際に、不要な残虐性をもって、フランク一家及び数名を取り扱ったという罪で、起訴を勧めたところ、フランク氏は、彼は、ただ上司の命令に従って、逮捕に及んだだけにすぎないし、逮捕の際に、不要な残虐性はなかったと、この起訴の勧めを拒否したということを知りました。

自身も、ナチの迫害を受け、強制収容所での暮らしも経験し、すべての家族を失ったフランク氏が、このチャンスを利用すれば、自分に、極悪の経験を与えたこの人物に、つらい思いをさせることができるかもしれないという時に、この人物に、罪はないと、自分が真実と思うことを語り、復讐ではなく、”アンネの日記“を、編集、出版することにより、世界に平和をアピールすることを選んだということに、アンネフランクからだけではなく、彼女の大好きだったお父さんからも、大切なお手本を示されました。 そして、このお父さんによって、アンネフランクの本当の夢、作家になって、自分の死後も、生き続けたいという夢が、叶えられたわけですが、フランク氏が、“アンネの日記”の、出版先を探していた時には、当時の反ユダヤ感情により、“ユダヤ人は、自分の娘の死体さえも、お金に換えようとする”というような、中傷も受けたこともあったようで、そんな中、揺るぐことなく、“アンネの日記”の出版を実現させたフランク氏に、私にとって、大切な一冊となる“アンネの日記”を世に送り出して下さって、感謝です。



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2014年4月19日土曜日

アンネフランクの人生観


“Laziness may look inviting, but only work gives you true satisfaction.”
“アンネの日記”1944年7月7日より。

お姉さんのMargotと、隠れ家の同居人であるPeterと、自分自身のことを顧みて:
自分達は、家庭や、教育を受ける機会に恵まれ、将来、何か大事なことをしたり、幸せになりたいと願うことができる環境にあるけれど、自分で、努力して、ものにしなければいけない。

そして、その努力の源は、
Where there’s hope, there’s life(“アンネの日記”1944年6月6日より)
という、アンネフランクの言葉にあるように感じました。
実際、隠れ家での生活においての、アンネフランクの勉強のスケジュールを見ると、アンネフランク、ものすごく一生懸命、勉強してますね。なによりも、規則正しい生活を守っている強さには、目をみはるものがあります。



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2014年4月18日金曜日

アンネフランクのしあわせ


Happiness: Sunday, March 12, 1994

“アンネの日記”の中で、アンネフランクは、彼女のお母さんとの折り合いが悪いということを、たびたび、記述していますが、1944年3月7日にも、憂うつな気分の時には、世界中の不幸について考えて、自分の身に、その不幸が降りかかっていないということを、感謝しなさいというお母さんの忠告に対して、アンネは、自分だったら、外に出て、自然と日光を楽しんで、周りにまだ残っているあらゆる美を思い出して、幸せになりなさいと、忠告しますと、反対を唱えています。

そして、こちらの、“Anne Frank’s Tales from The Secret Annex”に収められている、
“Happiness”という短編に繫がったのかなと思えるのですが、
After all, you can’t help that, but, you shouldn’t feel miserable about something before it happens. Actually, what you’re hoping to find when you’re depressed is happiness.
と、過去に起こったことに、惨めな気持ちになるのは止めて、落ち込んだ時には、幸せをさがさなければいけないし、
Once you’ve found your own inner happiness, you’ll never lose it.
一度、自分自身の幸福をみつけたら、決して、失うことはありませんよ、とのメッセージを送っています。

こちらの短編は、エッセーではないのですが、アンネフランクと思われる女の子が、男の子と交わす会話の形で進められ、男の子からの、どうやって、自分の中に、どんな状況下にあっても、失うことがない幸せをみつけることができたの?という問いかけにたいして、
外に散歩に出かけた時、自分の問題で頭がいっぱいになっていて、天気のことには、全然、気がまわっていなかったけれど、ふと空を見上げた時に、特別に美しい日だということに気がついて、自分の周りの美しいものに目がいくと、自分の心の中の、悪い考えが止まって、考えたり、感じたりすることは、美しいということだけで、それだけが、本当の真実だし、すべてのものは、あるがままでいいし、美しいんだということに、気がついたんだ。そして、悲しみは、自分のことを、かわいそうだと思っている気持ちからきて、幸せは、喜びからくるものだということに気がついたんだ、と、返答しています。

こんな会話を交わして、自分のことを理解してくれる人にめぐり合った!と、同じ気持ちを分け合った二人ですが、短編最後の言葉にも、自然の美とは違った、幸せを感じました。
I haven’t found happiness yet, but I have found something else-a person who understands me!
I knew what he meant, and from that moment on, I was no longer alone.




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2014年4月16日水曜日

アンネフランクの花売りの少女


The Flower Girl: Sunday, February 20, 1994

“アンネの日記”の中にも記述されている、自然の美しさの中に、心安らぐ幸福感をみつけることができるんだということに繫がる、短編の物語で、“Anne Frank’s Tales from The Secret Annex”の中で、私が一番好きな物語です。

主人公は、小さな村に住み、毎朝2時間半かけて歩き、マーケットで花を売る、Kristaという、12歳の女の子です。
マーケットでは、彼女の花が、それほど売れるわけではなくて、一日中待たなければならない時もあるし、ずいぶんと売れ残ってしまうこともありますが、彼女には、素敵な楽しみがあって、毎日12時になると、マーケットでコーヒースタンドを開いている他の売り手の方が、Kristaに、お砂糖をたっぷりと入れた、湯気が立ち上って熱々のコーヒーを、無料でふるまってくれます。そして、Kristaも、その日の花束の中から、一番きれいな花束を、彼にプレゼントします。
マーケットから家路につく時には、すっかりと疲れてしまっているため、3時間かけて、朝出た時と同じ状態の、寒くて、孤独で、さびれた家へと帰り、腰を下ろす暇もなく、姉の帰りを待って、わびしい夕食の支度をし、姉との夕食の後には、すぐに、次の日の花売りのために、日が暮れるまで、色々な種類の野生の花を摘みに出かけます。そして、花を摘み終わると、手枕をして、草の上に横たわり、薄っすらと暮れかかる空を見上げます。

村の人々に、かわいそう、と感じられ、実際、一生懸命働かなければならないKristaですが、 この小さな花売りの少女が、不幸だと感じているなんて、思わないで下さいね、
毎日、この自然と交わる短い時間があれば、疲れも、マーケットや他の人のことも忘れ、ただ、目にしているその瞬間のことだけを、考えたり、夢見ることができるし、この自然と交わる短い時間がある限り、Kristaは、毎日、平安な幸福感で、いっぱいになっているんです、という、アンネフランクの言葉です。

そして、ものすごく、話が飛んでしまうようですが、アンネフランクの自然の美しさの中に見出す平安な幸福感ということが、禅の教えにもつながっているように思いました。
公方俊良著“般若心経90の知恵”は、何度も、何度も、手元において、読み返している本なのですが、“心のやすらぎこそが、幸せへの道”ということで、“本当の幸せとは、永遠に失うことのないやすらぎを掴むこと”とあります。


忙しい毎日の中、一日の終わりに、空を見上げ、自然と交わり、目の前にある美しさだけを楽しむことができたら、Contentという気持ちで、眠りにつくことができますでしょうか。
私も、昨日、思いがけず、窓から見える満月がすごくきれいなことに気がついて、しばし、猫とお月見を楽しみました。



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