Classic Starts Around the World in 80 Days Retold from the Jules Verne original by Deanna McFadden
Illustrated by Jamel Akib
Sterling Children’s Books ISBN: 978-1-4027-3689-6
フランス人作家Jules Verneが、1873年に出版した、古典冒険物語Around the World in 80 Days(フランス語題名Le Tour de Monde en Quatre0vingts Jours)を、高学年児童向けに現代語で分かりやすく書き直したClassic Startsで、読んでみました。日本語での題名は、80日間世界一周というようですね。フランス人作家により書かれた作品ですが、イギリスが舞台となっていて、イギリス人紳士と彼のフランス人の執事、彼らを追うイギリス人の刑事が、主人公となっています。
物語は、1867年に、イギリスのロンドン在住の紳士が、インドの鉄道が完成したことで、80日間で、世界一周が可能になったという新聞記事のルートを元に、友達と、自分が、財産をかけて、80日間の世界一周旅行を成功させるという賭けを結び、執事を伴い、それぞれ、シャツ2枚と靴下3足という最低限必要なものだけをかばんにつめて、大急ぎで、Around the World in 80 Daysに出発し、思いがけない危機と困難を次々と乗り越えながら進んでいく、ワクワク、ドキドキの、冒険旅行です。当時は、船と鉄道を利用して、世界を旅する時代だったのですね。イギリスからの世界一周の旅は、ロンドンから、ドーバー海峡を渡り、フランスへ。そして、鉄道で、イタリアの南部に出て、船で、エジプトへ渡り、そこから、紅海、インド洋を渡り、インドへ。その後は、鉄道と船を使い、ホンコン、日本の横浜、アメリカのサンフランシスコへと進み、アメリカ上陸後は、鉄道を使い、アメリカ横断、ニューヨークから、船で、イギリスへの帰路に就き、世界一周踏破、というルートです。
物語は、紳士と執事の世界一周旅行への挑戦と、刑事に追われていることは知らない紳士ですが、イギリスのロンドンで起きた、銀行強盗事件の犯人は、紳士との嫌疑を元に、紳士と執事を追う刑事の追跡が、絡み合いながら、進んでいきます。
イギリス出発後、インドに到着すると、実際には、まだ、鉄道が、全線貫通していないという問題に直面。その、解決策として、象に乗って、次の目的地に向かったり、その途中、賊に誘拐されている模様の女性を救出。また、アメリカ大陸横断中には、鉄道強盗に見舞われ、執事が、元アクロバットのプロの技能を発揮して活躍。鉄道を乗り損ねてしまった解決策として、雪が積もる大草原を疾走する、小さな船のような乗り物に乗って、鉄道に、無事に追いつくことができた、など、危機や難題に直面した時に、えっ、そんな方法があるんだ、というような、意外でスケールの大きな方法で解決されていくのもおもしろく、紳士と執事は、80日という時間の制限に、そして、刑事は、イギリスの権限が及ぶ範囲にいるうちに、紳士を逮捕しなければという制限に挑戦しながら、どちらも、一刻も無駄にはできないと、緊迫感があり、一昔前の冒険旅行の物語も、とても生き生きとして感じました。
また、道中、紳士と執事とインドで救出した女性との間で築かれた信頼関係も、魅力の一つでしょうか。
イギリス帰還後、無実にもかかわらず、刑事の誤の逮捕と釈放により、遅れをとり、80日間による世界一周を果たせず、賭けに負け、財産を失ってしまったと落ち込んだ紳士ですが、親友も家族もいない身の上で、残った財産はかばん一つだけだけれと、大丈夫だと、インドから救出した女性に打ち明けた時、彼女から、”if you’ll have me as your wife, I’ll be your family. We can face the future together.”と、思いがけない申し出を受け、結婚へ。その後、時差による勘違いで、まだ、80日間による世界一周に、間に合うと気付き、駆け込みセーフで、ハッピーエンドとなりますが、様々な危険や困難を乗り越えた大冒険を経て得られたものは?という問いに、紳士は、すばらしい女性と答えています。
注ですが、アマゾンジャパンのこちらの本の商品説明・内容紹介には、誤って、他の書籍、The Prince and the Pauperと思われる内容が記載されています。
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