2011年9月7日水曜日

洋書サリンジャー:The Catcher In The Rye


洋書おすすめ:The Catcher In The Rye
著者名:J.D. Salinger
出版社:Penguin; Open Market版, 英語
ジャンル:Literature & Fiction

2010年に死去したということで、昨年は、サリンジャー死去の追悼特集がたくさん組まれ、たくさんのアメリカ人の方が、J.D. SalingerのThe Catcher In The Ryeを読み直しているようです。私のアメリカ人の主人も、高校の時、学校の授業で、The Catcher In The Ryeを読んだということですが、多くのアメリカ人が、10代の頃に読んだという、一冊です。
私は、英米文学を専攻していた時、アメリカ文学の歴史の授業で、サリンジャーの名前が大きく紹介され、“ライ麦畑でつかまえて”という題から、どういう本なのかな?と、いつも思っていたのですが、最近、初めて、原書を、読んでみました。
物語は、アメリカのプレップスクールと呼ばれる、トップクラスの大学に進学するための、裕福な子弟が集まる、私立有名進学高校から、学業に全く意欲を示さないということで、退学を命じられた、16歳の主人公の男子が、退学する直前の学校や寮においての学友とのやりとり、寮を離れ、自宅に向かう直前に、一人でホテルに宿泊した数日間の出来事、両親の留守中に、自宅に忍び込み、妹と交わした会話のやりとり、その後、自宅に戻らず、どこか遠くへ行こうとしていたプランを変更し、自宅へ戻ったいきさつなどを、独白する形で進められます。
主人公の男子が、私立有名進学高校在学中、周りにいる俗物や偽り者に我慢ができなかったという話や、人生に成功するためのゲームに参加するためには、ルールに従わなければいけないないという、教師のアドバイスに耳をかすことなく、すべて、自分なりの判断を優先してきたということで、10代の若者の反逆心、葛藤、などが、物語の中心として語られていますが、現在の私にとって、The Catcher In The Ryeがおもしろかった点は、文章が、高校生ぐらいの男子だったら、本当に、こんな風に話すだろうな、という、日常の話言葉でとっても生き生きと運ばれていき、退学などの問題となりそうな話をするにあたっても、暗く、深刻に聞こえるのではなく、むしろ、funnyに聞こえ、本当に、主人公の男子の話をきいているような気分になった点です。このThe Catcher In The Ryeには、そういった、英語そのもののおもしろさがいっぱいなので、原書で読むとおもしろい本として、お勧めです。
The Catcher In The Ryeの意味については、主人公の男子が、The Catcher In The Ryeになりたいという話をする部分があり、そういう意味だったのか、と、わかる部分があります。読む方によって、解釈が違っているようなのですが、私も、もう一度、読み直して、自分なりに、考えてみたいな、と、思っています。

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