2014年4月9日水曜日

アンネフランク創作の物語


“アンネの日記”に加え、アンネフランクが書き残した、短編小説、思い出、未完の小説を収録した、”Anne Frank’s Tales from The Secret Annex”を読んでみました。こちらの版は、新訳で、すべての物語が収録されたもので、アンネフランクがノートに書き残した順番通りに編集されているということです。本のカテゴリーは、YA向けの小説になっています。
こちらの本で、初めて、fictionのgenre(fantasy, horror, humor, mystery, science fictionなどの区分)に、fableというものがあることを知ったのですが、動物やミステリアスな生き物、植物などが、人間に話しかけ、道徳的な価値観を教えるというfictionということで、こちらの本にも、アンネフランク創作のfableが、幾つか収録されています。ナチからの迫害を逃れるための、隠れ家での生活を通して、13歳から15歳を過ごしただけとはいえ、a childではなく、a personになったとの思いを抱くアンネフランクの言葉通り、こちらに収録されている物語は、アンネフランクの、驚くほどの文才を示すだけではなく、深い洞察から生まれた、人にとって、本当に大切なものは何なのかということを、語りかけてくれる物語となっています。

文才に恵まれたことを、神に感謝し、将来は、ジャーナリストか作家になりたい、そして、”I’m determined to write!”と、書くということへの燃えるような情熱をもったアンネフランクが、ただ、“アンネの日記”を通して、ナチ政権下における迫害の記録を残した、日記の書き手というだけではなく、優れた“若い作家”でもあったということを発見する、一冊です。



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