2011年10月12日水曜日

洋書絵本日本人Caldecott Honor受賞作:Crow Boy



洋書絵本日本人Caldecott Honor 受賞作:Crow Boy
著者名: Taro Yashima
出版社:Puffin, 英語
ジャンル:Children’s Books, Caldecott Honor Book

日本では、からすたろうという題名の日本語版が、出版されているようですが、読まれたことはありますか?
私は、原書のCrow Boy しか、読んだことがないのですが、日本人の方に、是非、読んでいただきたい本の一冊です。
著者、八島太郎の幼少時代の実話が元になっているとのことですが、挿絵には、戦前の日本を思わせる、着物姿の子供や、人力車,みの、などが見られ、日本の古い絵本をみているような感じがします。
物語は、ちびというあだなをつけられた男の子が、小学校入学当初から、先生にも、他の子供達にも、馴染むことができず、同級生、高学年の子供、そして、低学年の子供達からさえも、ばか、のろま、と、言われながら、孤独に、五年間を過ごすのですが、六年生の時に、新しい先生に出会ったことで、植物に関する知識や絵やお習字で、高い評価を得たり、他の子供達がいない時に、先生と一緒に時間を過ごす機会を得ます。そして、その年の学芸会の場で、先生の紹介のもと、生まれたばかりの赤ちゃんのからす、お母さんカラス、お父さんからす、と、幾通りかのからすの鳴き声を披露するのですが、最後に、先生が、男の子が、六年間毎日、日の出と共に、家を出て、日が暮れる頃、家に帰る、通学途中で、これらのからすの鳴き声を学んだんだと、いうと、聞き入っていた子供達みんなは、長いこと、男の子に悪いことをしてしまったと、泣き、大人たちも、涙を流しました。その後も、ちょっと、お話が続いて、男の子の幸せなからすの鳴きまねで、エンド、となります。
1ページに、挿絵と一行から三行ぐらいの文章がつけられていて、むしろ、淡々とした語り口なのですが、読むたびに、涙ぐんでしまう絵本です。
とても、日本的な絵本だなと思うのですが、大変栄誉のある、Caldecott Honor受賞作ということで、日本人ばかりではなく、アメリカ人の心にも、強く、響くものがあるのですね。

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